嘘のような本当の話〜財産価値を守ろう!

お金の話

 私の知り合いの方の話。

 せっかくの相続財産。残念ながら、不動産の価値を下げてしまったお話です。

「中古住宅付の土地」を高値で売却するには?

 相続した中古住宅付土地を高く売りたい場合は、更地にした方がいいのか、中古住宅付きのままがいいのか。

 素人的には、更地の方がいいような気がします。新築する場合に上物の中古住宅が邪魔だからです。

 でも、最近は、リフォームで、中古住宅が新築同様に生まれ変われる技術の進化により、新築よりも安い中古住宅の需要が上がっているそうです。だから、単純に、更地が高値で売れるというものではないようです。

 また、古民家など魅力的な建造物の方が当然高値がつく場合もあるようです。白川郷の合掌造りは高価でしょうね。

 だから、売却する前に、更地にするか、中古住宅付土地のまま売却した方がいいのか、周辺地域や顧客層の調査をしてよく検討した方がいいということのようです。

 他に、更地だと固定資産税が高いとか、中古住宅を解体する費用がかかるなど、よくよく考えないと思いもよらない出費がかさむことにもなりかねません。

 知り合いの方(以下便宜上Aさんといいます)は、よく検討した結果、相続した中古住宅を解体して、更地にしたのだと思っていました。

建築基準法に注意

 ところが、Aさんが相続した「中古住宅付の土地」を更地にした後、その土地は、建築基準法上、新築できない土地だということがわかったのです。

 火災や地震などの災害が起きたときの避難経路、消防車や救急車が通れる経路の確保のため、都市計画区域内で建物を建てる場合、建築基準法では、幅員(幅)4m以上の道路に2m以上接した土地でなければならない(一部区域では幅員6m以上が必要)ことになっています。

 ところが、そのAさんの土地は、道路に接していないからだそうです。

 接していると思っていた道路は、見た目は道路なのに、建築基準法上は道路とは認められない通路だったそうです。こういうこともあるんですね。

 結果、Aさんの土地は、建築基準法でいう道路に接していないため、新築不可の土地で、更地にしてしまった今、新築できない土地となり、宅地としての価値がなくなってしまったわけです。

 中古住宅付の土地のままなら、2、3000万円の価値があった土地も、更地にしたため、新築できない土地となり、資材置き場くらいの利用価値にしかならないそうです。

 鑑定評価では、多く見積もって、500万円くらいでしか売れないとのことでした。

中古住宅付土地の価値

 Aさんが相続した土地は、更地にする前は、桜の木もある、庭付きのいいお宅だったようです。古民家として付加価値もあり、中古住宅をリフォームしてそのまま売った方が、もっと価値があったのかもしれません。

 せっかく解体費用をかけて更地にしたのに、財産価値を下げてしまったAさん。

 財産を守るには、十分な調査が必要だということをAさんから学びました。

コメント

タイトルとURLをコピーしました