究極!「ぼくはお金を使わずに生きることにした」(マーク・ボイル著書)を読んでわかったこと

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 この世の中、お金を使わずに生きられるのだろうか……

 YouTube「両学長、リベラルアーツ大学」で紹介されていた本。早速読んでみました。

 著者がどうやって、お金を使わずに生活したのか。究極の生き方を擬似体験!

倹約生活と金なし生活との違い

 倹約生活は、お金はあるけれども、もちろん節約して暮らすこと。これならまあ、できるかなと思うのです。

 でも、著者が実行したのは、金なし生活。全ての生活にお金を使わないこと。

 住む家はどうするの? 水道、ガス、電気、通信などのインフラはどうするの? 節約するのとお金を全く使わないのとでは、生活状況が全く異なるので、正直、無理なのではと思いました。

 極貧生活や倹約生活なら、出費を最低限に抑えれば、水道、電気、ガス、通信などのインフラは使えます。でも、著者の生活は、お金なしですから、インフラは全く使用できないわけです。

 ペンだって、倹約するなら、安いものを買えばいいだけ。でも、金なし生活は、極端な話だと、1日4分の3の時間を費やして、キノコから新しいペンを作らなければならないらしく、それには著者も肝を潰したとありました。

 原始時代ならともかく、便利な時代にどっぷりとつかり、貨幣経済の中で生活している以上、無理なのではと思いました。

 でも、著者は、洗濯水や風呂は川から、トイレは自作、トイレットペーパーの代わりに新聞紙を使っていました。さすがに、飲み水は水質が悪いので川の水を飲むわけにはいかず、近くの農場からただで貰い受けていました。

 冬にスタートした著者は、極寒の中、ストーブを自作し、薪で暖を取る生活をしていました。

 住む家は、トレーラーをただで貰い受け、トレーラーを置いてもらう場所や農作物耕作のための土地を労働を提供することで借受け、食料は、野外採取したり、廃棄処分予定の食料を調達したりの徹底ぶりには、感心します。

全く0(ゼロ)ではない

 ただ、「金なしの生活」とはいえ、実際、極貧な生活を余儀なくされている人から見れば、著者の行動は、ある意味、中途半端というか、裕福だからできる…… なところもないとはいえません。

 全く0(ゼロ)からのスタートではないからです。

 ある意味、裕福だからこそできる「金なし生活」の実験だと思われます。

 金なし生活を始めるにあたって、その準備金としてお金をたくさん使ったらしいですから(笑)。例えば、金なし生活を始める準備として、エネルギーの調達のためにと太陽光発電やソーラーシャワーを安価とはいえ、新品で購入しているからです。

 その点は、著者は、矛盾した行動だと認めています。

わかったこと

 確かに、「金なし生活」にしては、少し、矛盾点がないわけではないですが、この本を読んで気付かされたことがたくさんありました。

 私たちは、どれだけ、地球からたくさんの恩恵を受けているかということです。 

 蛇口を捻れば出てくる水。ボタンを押せば快適な温度に設定できるエアコンや明るくなる電気。スーパーに行けばすぐに買える食料。普通すぎて、忘れてしまっていることを。

 そして、お金という便利なもののおかげで、それらが簡単に手に入るということ。

 便利な生活の裏には、気づかないたくさんの、食品ロス、環境破壊、石油の枯渇問題…… 胸が痛くなるほどです。

 この著者の「金なし生活」を擬似体験したことで、地球という惑星に生まれたことのありがたさ、お金のありがたさが身にしみてわかりました。また、著者の行動は、かなり問題を投じた行動であり、この本を世に出したことは良かったと思います。

 それだけ、多くの方に読んでもらいたい事実や問題点が書かれています。

お金の大切さ

 この本を読んで思ったのは、私は、著者のように、薪割りをしたり、洗濯に2時間かけたり、紙とペン作成に1日費やしたり、そういう「金なし生活」は、さすがに無理だし、したいと思いませんでした(笑)。

 でも、著者の「金なし生活」を擬似体験させてもらったことで、お金の大切さをより、実感しました。

 人を助けたり、自分が価値と思える行動ができる、自由な時間を得るためには、お金はなくてはならない大切なものだと改めて思いました。

 お金は手段であって、悪いお金、いいお金というものはないと言われていますよね。だから、良い使い方をすれば地球は守れるし、環境問題を解決できるはずです。問題なのは、お金の使い方、お金を使う人間の方だと思いました。

 だから、私も良いお金の使い方を目指したいですね。

 自分の目指す経済的自由、豊かな暮らしとは、限りある命、時間を自分のやりたいことや大切な人との時間に使えるということ。そういうことのために大切なお金を使いたい…… と改めて思い直しました。

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