競売物件で見た〜安値タワーマンションに気をつけて!

お金の話

2015年に建てられたとあるタワーマンションの一室。

裁判所が出している競売物件閲覧サイト「BIT」で、2300万円で競売にかけられているのを見て思ったこと。

支払えなかった住宅ローン

4階以上の建物には住めない、高所恐怖症の私は、タワーマンションへの憧れなんて全くないのですが……😅、金持ちのステイタスなのでしょうか、夜景が綺麗とか、上から見下ろしたいとか、高い上階がお好きな方が多いようですね。

この競売にかけられているタワーマンションの一室は、タワーマンションに憧れて、住宅ローンを組んで購入したのでしょう。

でも、とうとう住宅ローンを支払えずに競売になってしまったのでしょうね。

家賃を支払うよりお得……じゃない!

今回競売になっているマンションの一室3LDKは、新規購入だと最低でも5300万円で売られていました。

ローンのほかに支払うものとして、固定資産税、約14万円に加えて、管理費1万3500円、修繕積立金9800円、団地修繕積立金1200円(合計月額2万4500円)です。

銀行のシミュレーションで見ると、5000万円の物件だと20年ローンを組むと、毎月の支払いが24万1273円でした。

そうすると、5300万円のタワーマンション一室を住宅ローンを組んで購入した場合、固定資産税、毎月の管理費等、月額ローン返済を合計すると最低でも毎月約27万7440円は支払う計算になります。

同じ3LDKで、この半額以下の家賃で借りられる賃貸マンションがあるので、家賃を支払うより全然お得じゃないですよね。

購入しても資産にならない

家賃を支払うより、住宅ローンを支払ってでもマンションや家を購入するのがいいと誤解しているのは、多分、業者さんに、賃貸物件は払いっぱなしだけれど、住宅を購入すると、将来は資産になると言われているのではないでしょうか。

でも、それは幻想です。

資産とは、貸借対照表を作成してみればわかりますが、売った場合、購入時に支払った額以上の価値で売れる物をいいます。

借金して購入しても資産になるどころか、「貸借対照表」を作成すれば自ずとわかりますが、資産の欄はマイナスになるだけなんです。

さらに、家は買った時点から消耗され、価値がどんどん下がります。仮に住宅ローンを支払い終えた時点で自分のものになった家の価値は、当初の5000万円の価値はなく、大分下がっていることになります。

今回見た競売物件となっているタワーマンション一室も、築7年で評価が5300万円から半分以下の評価になっていました。支払い終える20年後はもっと価値が下がって1000万円以下になる可能性は大です。

仮に、手持ちの5300万円で住宅を購入した場合であっても、支払いに当てた5300万円と交換しただけで、そのお金が手元からなくなっただけで資産は増えていません。むしろ、現金なら、預金すれば、微々たる利息でも資産は増えていきますが、住宅の価値は、買った時点からその額より以下になり、資産価値は下がっていくのです。

だから、競売で2000万円台で購入できるとしても、価値はますます下がっていくので、業者さんの「家賃を払うよりお得ですよ」の言葉で住宅ローンを組んで購入する前によーく検討してみてほしいです。

前所有者の管理費滞納に注意

今回、競売物件の詳細を見たところ、前所有者が管理費用等が10万円ほど滞納してありました。

この物件を競売で落札した新所有者はその10万円の支払い義務を負うので注意です。

このタワーマンションの一室を競売で購入する場合、一番高値で落札した人が買い受ける権利を有するので、どうしても欲しい人はいくらでも高く落札金額を入れたいところでしょう。

でも、前所有者に滞納金額があることも勘案して入札しないと損をします。

5000万円台だったタワーマンションが2000万円台で購入できるとなると、夢のようなチャンス。競売でもいいから、買いたいと思うかもしれませんが、安値だからと思っても、こんな落とし穴があるので、詳細に見て検討してくださいね。

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